【組織の成熟度における土台の共有】リーダーって何をする人なのか。

business

どうも。

最近、ワーカーホリックが一段と加速しているくらもんです。

 

先日、私が「次世代を導く”真のアントレプレナー”をどうすれば養成できるのか。」というテーマでブログを書かせていただいたところ、有難いことに多くの反響をいただきました。

 

その中でも、私が所属するコミュニティの総長が素晴らしいアンサーを文字に起こしてくれました。

 

是非このノートは一読してほしいのですが、本日は敢えてアンサーに対するアンサーをこのブログに書き綴ってみようと思います。

 

(今はSNS上でのレスバではなく、ブログという長文のコミュニケーションの時代なのです(笑))

 

というわけで、相も変わらず駄文ですが、お付き合いください。

 

 

組織のリーダーって何?

 

これ、ずっと話したかったテーマなのですが、いわゆる「優れたリーダー」って何でしょうか。

というか、そもそも「リーダー」って何をする人なのでしょうか?

 

リーダーと言えば、部活やバイト、会社なら経営者、オーナー…いろいろな「リーダー」の在り方が思い浮かびますし、優れたリーダーと言えば、松下幸之助やスティーブ・ジョブズなどを想像する人も多いでしょう。

 

そもそもリーダーって Lead (導く) + er (人) のことを言いますが、導くとは一体どういうことなのでしょうか…。

 

辞書で「導く」について調べてみるとこんなふうに出てきます。

 

1 道案内をする。案内して目的の所に連れていく。
2 正しい方向に手引きをする。指導する。
3 物事がそうなるように働きかける。事柄をある方向へ動かす。
4 答えや結論を引き出す。
5 男女の間を仲介する。手引きをする。

(Weblio辞書より引用)

 

うーん…。どれもしっくりする答えではないような気がします…。

 

そこで、自分なりに「リーダー」とは何かについて延々と考えてみたのです。

その結果、善いリーダーとは、これから語る3つの形態を、組織の成熟レベルに応じて変化させることができる人なのではないか…と考えるようになりました。

 

というか、そもそも組織って状況に応じてどんどん変化するのに、一括りに「理想のリーダーとはこうである!」なんて言えないのではないかと思うのです。

 

 

Ⅰ. 組織の創造期におけるリーダー

創造期において、最強のリーダーは「ファーストペンギン」です。

 

言い換えれば、リスクを懼れずにやりたいことを次々に進めていく行動力のある人財です。

 

組織まだ小さい時において、集まってくる仲間の大半は、「その人に憧れてくる」か「その人の想いに共感してくる人」です。

 

(この辺の内容は、このブログでも書いた通りです。)

 

 

ここで注目をしておきたいことは、集まってくる人が、「なんかこいつスゲーけど、何したいのかはよくわからんw」という状態にあるという点です。

 

言い換えれば、折角自分に集まってきてくれた人であっても、何をしたいのかまでは何もわかっていないということです。

 

そんな状態で「民主主義を~」なんてやっても上手くいくはずがありません。

だって、何をするのかわかってないんですから(笑)

 

このレベルの組織成熟度の場合、時としてファーストペンギンの独裁政権が最強だと思っています。

 

「独裁」なんて聞くと、民主主義社会を生きる一部の人からはものすごく敬遠される言葉ではありますが、私は「独裁」自体は悪い言葉ではないと思っています。

 

独裁の本当の問題点は、「リーダーがやべー奴だとやべー組織になる」という点であって、意思決定が迅速であるがゆえに、スピード感があるという点はものすごく強みになります。(計画独裁とかその例ですよね。)

 

「俺がどんどん決めてやるからお前らは黙ってついてこい!」

 

こうなった組織は、組織にスピード感があるのでもう最強です。組織を大きくするために一気に階段を駆け上がります。

 

組織の初期の段階では、

・明確なビジョンに向かって意思決定が迅速で行動力のある人財
・周りの意見を聞いて、すぐに実行に移せる柔軟性のある人財
・周りの仲間に自分の想いや考えを伝えることで鼓舞できる人財

 

このあたりの人は、本当に組織を「創る」ことには向いているのではないのかなと思います。

 

Ⅱ. 組織の繁栄期におけるリーダー

残念ながら、独裁的な組織が長続きする事例はあまり多くありません。

なぜなら、細かいところに考え方や価値観の“違い“が必ず生じて、それが”ズレ“となり、”不満“へと繋がり、最終的には仕事効率の低下や信頼関係の崩壊を招くからです。

 

組織が繁栄してくる段階において、最も大切なことは「土台を共有できるかどうか」だと思います。

一言で言えば「対話」であり、独裁的なリーダーにとってどのタイミングで「対話」型の組織運営に切り替えるかが最大の手腕であると言えるでしょう。

 

なぜ土台の共有が大切かというと、仲間が増えることは「リスク」だからです。

 

リスク=危険と考える人が多いですが、リスクとは、一言で言えば「期待値を下回ること」です。

 

例えば、ギャンブルで「勝ちたい」と期待するから負けたときにリスクだと感じるわけで、初めから負ける気でいる人にとって、それはリスクではないのです。

「自分は健康だ!」なんて思っているから、健康でなくなった時にリスクだと感じるのです。

 

(要は、最初から何も期待をしていなければ、リスクでも何でもないんですね。)

 

 

で、話を戻すと仲間が増えるということは、それだけ「勝手に話が進む」ことが多くなるので、リスクと言わざるを得ません。

 

人はそれぞれ違います。考え方だけでなく、価値観や文化、得意不得意、趣味、生活スタイル、家族構成すべてが違います。

 

だからこそ、人間関係は組織が大きくなればなるほど複雑になり、お互いの価値観を容認し得るほどの高い教養と人間力がひとりひとりに求められるようになるし、リーダーにとっては思い通りにいかないこと、すなわち「リスク」が増えるのです。

 

 

リスクをリスクにしないためには、リスクヘッジが必要です。

ここでは、組織の仲間の理念から外れた“勝手な行動”を抑制するために、いかに策を講じることができるかだと思います。

 

最も簡単で効果的な方法は、「語り合うこと」です。

お互いがお互いの想いや考え、価値観を共有することは、本来の目的を達成するために何を改善し、何ができるのかを考え、実行していくうえで非常に強力な推進力となります。

 

この段階の組織においては、

・仲間の想いや考え方に共感を示しつつ、組織の方向をまとめられる人財
・現状を冷静に分析し、予め未来のリスクに対して策を講じられる人財

 

言い換えれば、仲間と“土台を再共有”するだけでなく、その目的に対して現実的に実行できる“リアリスト”が最強の人財であると言えるのではないでしょうか。

 

閑話休題: 創る人は、壊す人?ならリーダーは組織を壊せる人

総長が上記のノートの中で、非常に面白いことを述べていました。

 

どんな人が一番技術をもってるか。
答えは一番モノを壊したことがある人です。
これはエンジニア満場一致で納得できる指標だと思います。
壊すには「分解」も含まれます。
(中略)
どんな技術にもわからないことや失敗は出てくるし、そこに突き当たることが技術習得のスタートになります。そっから調べたり人に聞いたりしてきながら、技術は身につけてくのが普通です。

 

エンジニアならではの発想で、私も本当に勉強になりました…。

 

そして、この文章を見て思ったことですが、組織の柔軟性って「組織を壊したことがあるかどうか」という指標で語れるのではないかと思ったのです。

 

つまり、既存の組織文化や価値観、上下関係、手段などを崩壊するギリギリまで解体し、問題の原因を突き詰め、もう一度作り直せる組織…これが最強なんじゃね?と思ったのです。

 

私が頻繁にやる「土台の再共有」ってやつも、この視点から語れば、「組織の解体と再構築」なんて言い換えることもできるのです。要は、「土台の組み直し」ってわけだ。

 

 

Ⅲ. 組織の最盛期・衰退期におけるリーダー

では、リーダーは常に対話をする存在かと言われると私はそうではないと考えています。

 

特に組織サイクルの終盤においては、「リーダーが不在でも自走する組織」が最強だと思っています。

 

リーダーが居なくても成り立つ組織になるかどうかは、この段階に至るまでに、いかに土台を共有できているかがすべてだと思っています。

 

そう、勝負は最初から決まっているのです。

 

なぜ、組織の自走が大切かというと、2つ理由があります。

一つ目は、組織のリーダーは渉外に専念するべきだから。

二つ目は、メンバーの自主自律と他者尊重の精神が組織の明暗を分けるから。

 

一つ目については、これを読んでください。色々と語っていますので。

(今書いている途中です。)

 

大事なことは、2つ目です。

 

上手くいっている組織って、総じてメンバーひとりひとりがいい意味で自律しており、他者尊重をしあいながら、現実的な話に落とし込み、実行していると感じます。

 

これが上手くいく組織は、衰退期においても新しい一手のアイディアに挑戦したり、経営の改善を速やかに行ったりすることで、上手く危機を脱却している気がします。

(世の中のほとんどの会社が危機の度に主力事業を変えてるのと、たぶん同じだよね。)

 

リーダーがいないと成り立たない組織は、盤石な基盤がないと言わざるを得ないです…。

 

もうリーダーはやりたくないって話

リーダー職を極めようとすると、本当にいろいろなことを考えないといけません。

他者を理解するための共感力や教養、仲間を鼓舞するための話術やカリスマ性…挙げ始めたらきりがないほど、要求値は高くなります。

 

私みたいな知能指数低めなモブキャラ枠にはしんどいと感じてしまうと同時に、すごいリーダーを見れば見るほど、どんどん自信を喪失していくのです…。

 

言葉を濁さずに言うのであれば、「もうリーダーやるの、疲れました。」もういいかな…と。

 

ここ最近、ありがたいことに本当に色々な場面でいわゆる“リーダー”を経験する機会があるのですが、そのたびに「俺ってリーダーとか向いてないよなぁ…」とか思うのです。

 

そもそも表立って何かをするの、好きじゃないですから…。

(派手に楽しいことを真面目にやるのは好きですよ。勿論。)

 

色々考えた結果、私が一番向いているのは実は「参謀」なんじゃないか、と最近は思うようになりました。

 

リーダーの傍でコソコソ助言をしながら、リーダーがどんどん動けるように道筋をセッティングする…そっちの方が多分僕は向いています。

 

だから、経営者よりも、教師とか経営者のコンサルとかの方が向いてるんですよね…。

 

なので、今後も“コンサル”とか“応援”とか“協力”って形で組織に貢献できればいいなとか思っています(笑)

 

教養ある人間が組織を創ると面白い

優秀な人財だけで組織を創ると、ここまで話してきた前提がひっくり返るということにも気づきました。

 

というのも、お互いが仲間の考えや想いをテキストに無い文脈まで含めて深く理解してくれますし、自主自律の精神でどんどん意見を言いつつも、他者尊重の精神を併せ持っているので、非常に円滑なコミュニケーションになります。

 

まさに、1を言えば10伝わるので、コミュニケーションが早く、民主主義にもかかわらず、スピード感がある創造期を迎えているのです。

 

そして、面白い点が組織の仲間が「自分がいかに正しいことを示すか」なんて微塵も気にしていない点です。だから、すごく真摯に合意形成がなされます。

 

というのも、みんな「どちらが正しいか」を決めること自体が不毛であると理解しているからです。

 

意見がずれたときは、意見の裏にある理屈や考えの根拠を聞き、双方の合意が得られる新たな意見が提案される…こんな快適な組織はありません。

 

そして、その文化は「空気」となって、組織の環境を創り出します。

いやー、面白いですね…。本当に。

 

私もすごく楽しんでいると同時に、自分自身がものすごく実力不足であると自覚し、もっと頑張らないとなぁ…と身に染みて感じるわけです。

 

 

というわけで、先日のアンサーに改めてアンサーを書いてみました。

 

相変わらずの駄文にお付き合いいただき、ありがとうございました。

 

興味のある方はこちらもどうぞ。(他のコンテンツです。)

哲学
「哲学」の記事一覧です。

共著「哲学や心理学を学ぶ前に知っておきたい 考え方の教科書」

https://amzn.asia/d/iN2elsK

コメント

タイトルとURLをコピーしました